「物件を売る」だけが出口じゃない ― 会社ごと売る“M&A”という選択肢

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不動産を始めると、最初はどうしても「どう買うか」ばかり考えます。私もそうでした。良い物件をどう見つけて、どう融資をつけるか。頭の中はいつも“入口”のことでいっぱいでした。

でも何棟か持って、何件か売ってみて、はっきり分かったことがあります。最終的に手元にいくら残るかは、買うときよりむしろ“出口”で大きく変わる、ということです。

そして出口には、多くの人が思っているよりも選択肢があります。

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不動産の「出口」は、ひとつじゃない

物件を手放すとき、ふつうは「物件そのものを売る」と考えます。土地と建物を、次のオーナーに売る。いちばんイメージしやすい売り方です。

でも、もうひとつ道があります。物件を持っている“会社”ごと売るやり方です。いわゆるM&A、株式譲渡です。

物件を法人で持っている場合、その法人の株式を買い手に引き継いでもらう。物件の名義(所有者)は会社のまま変わらず、会社の持ち主だけが入れ替わる、というイメージです。

なぜ「会社ごと」だと手残りが変わるのか

同じ物件、同じくらいの価格でも、売り方が変わると最終的な手残りが変わってきます。場合によっては、数倍変わることもあります。

理由はいくつかありますが、大きいのはかかる税金や費用の種類が変わることです。

たとえば物件そのものを売買すると、買い手側には不動産取得税や登録免許税といった、所有権を移すためのコストがかかります。一方、会社ごと(株式)を引き継ぐ形なら、物件の所有者は会社のまま変わらないので、こうしたコストの一部がかからない。買い手のコストが軽くなる分、価格や条件で歩み寄ってもらいやすくなります。

売り手側の税金の扱いも変わります。物件を直接売った利益にかかる税と、株式を売った利益にかかる税は、別の仕組みです。どちらが有利かは、保有している形(個人か法人か)、保有年数、帳簿上の価格などで変わります。

ここは物件ごと・人ごとに本当に差が出るところなので、実際に動くときは必ず税理士に試算してもらうのが安全です。「会社ごとなら必ず得」という単純な話ではありません。

向いている人、向いていない人

良いことばかりではありません。

会社ごと売る場合、買い手はその会社の中身(過去の決算、借入、見えない負債がないか)まで引き受けることになります。だから買い手はそのぶん慎重で、調べる手間もかかる。誰でもすぐ買ってくれる、というものではありません。

ざっくり言うと、法人で、ある程度の規模で物件を持っている人ほど選択肢に入りやすい。逆に、個人名義で1戸だけ、という持ち方だと使いにくい方法です。

私はいま、この「出口」を選んでいます

実は私自身、いままさに、保有している物件を会社ごと売る準備を進めています。

正直に言うと、これは一人では進めにくい世界です。買うときの融資も、売るときのM&Aも、どちらも“中の事情”を知っている人が隣にいるかどうかで、進み方がまったく変わります。私の場合は、融資審査の側も投資の側も経験してきた方に伴走してもらいながら進めています。

入口(融資)から出口(M&A)まで、一本の線でつなげて考えると、ここまで景色が変わるのか――というのを、いま自分で体験しているところです。

入口も出口も、学べる場で

こうした入口(融資)と出口(売却・M&A)の話は、私が代表を務める大家さん学びの会名古屋の勉強会でも取り上げています。

金融機関で融資の審査側を長く務め、独立後はご自身でも数十棟規模の取得と売却、M&Aまで経験した――そんな「審査する側」と「投資する側」の両方を知る方を、講師にお招きすることもあります。同じ物件を見ても、買い進められる人と止まる人がいるのはなぜか。その答えを、入口から出口まで通しで聞ける機会は、なかなかありません。

入口から出口まで、一本の線で考えたい方は、のぞいてみてください。

買うことと同じくらい、いえ、それ以上に、出口は手元に残るお金を左右します。これから規模を考える人も、そろそろ次を考える人も、「売り方にも選択肢がある」ことだけは頭の片隅に置いておいて損はないはずです。

※本記事は2026年6月時点の公開情報に基づきます。

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この記事を書いた人

不動産投資歴15年超 / 大家さん学びの会名古屋 支部代表 / AI 開発者 / 著書「FIREできる不動産投資3つのルール」(45才からいきなり始めて成功できる)。本名: 岡本 康 (ブルー・ソリューションズ株式会社 代表)。中立的立場で生成 AI ツール・不動産投資サービスをレビュー。

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